トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 本来、彼の会社はレベル3までの細菌などを扱う。

 レベルには1から4まであり、レベル3は

『個体に対する高い危険度、地域社会に対する低危険度』を意味する。

 国は彼の会社に白羽の矢を射て、秘密裏にレベル4の部屋を造り細菌兵器の開発を要請した。

 厳正に選んだつもりだったが、国が思っていたよりもジェイコブは野心家だったらしい。

 レイは、部屋の外にうながされるジェイコブの姿を見つめて小さく溜息を吐き出した。

「ありがとう」

 少し慌てながら扉の鍵を開ける白衣の男に応える。

「い、いえ」

 伏し目がちな視線と、おどおどした態度はいかにも気弱な研究者らしい。

 白衣の男に手で応え、青年はFBIの2人とジェイコブの後を追った。

 とにかくアザムを無事に保護しないと! そう思って足早に歩く。