トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「ざっと5万ドルという処か」

 転がった石をひと通り見て額を適当にあげた。

 それは、土台の付けられていない宝石たち……部屋の裸電球にさえもその輝きで存在を主張していた。

「5万ドル……」

「お前を私に預けた男、なんといったか」

「ティーロ」

「彼への報酬だったのだろう」

 それを聞き少年は自虐的な笑みを漏らした。

「クックックッ……どうせ死ぬ人間には何も無いってね」

「お前は死なんが」

「え?」

 しれっと応えた彼に目を丸くする。