そうして、FBIの2人と携帯の番号を交換し再び車を走らせた──アザムは障害を難なくかわしていくベリルに驚きを隠せない。

「処でアザム」

「! なっ、なに?」

 突然、声をかけられて少年は思わず声がうわずった。

「腹は減ってないかね」

「べっ別に」

 プイッ! と、そっぽを向いた少年に目を据わらせてゆっくりと車を止める。

「ギャー!」

 少年の叫びが夜の闇に響き渡った──