「ベっ、ベリルか……?」

「!」

 背後からの声に振り返ると、コンクリートの地面にへたり込んでいる影が確認出来た。

 荒い息で、かなり周りを警戒しているように見える。

「?」

 建物の物陰で、こちらの様子を窺いながら後ろに何かを守っているような仕草に青年は怪訝な表情を浮かべた。

「電話をしてきた者だな」

「……そうだ」