トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「その依頼、誰が?」

「さて、名前までは聞いてなかったな」

 しれっと答える。

「それだけ、せっぱ詰まった状況でのやりとりだということ……理解したうえでの発言か?」

 探るような眼差しで青年を見つめると、青年はその瞳に軽くニコリと笑みを返した。

「……」

 落ち着き払った青年に細身の男は毒気を抜かれたように溜息を吐き出す。

 車に背を預け腕を組んで薄笑いを浮かべているのは、それだけ場数を踏んでいるということか……細身の男はそう感じて右手を差し出した。

「失礼した。私はメイソン。こっちはトーマス」

 ベリルはそれに応えるように差し出された手を握る。