トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「知っていて訊くのか」

 左にいる細身の男が厳しい口調で発した。

 この青年が何者かは解らないが、戦いに身を置いている者だという事は、その動きと服の上からでも解る体格で察しが付いた。

 自分を警戒しているのがよく見て取れて、青年は薄く笑う。

「ベリルだ。傭兵をしている」

「! ああ……それで」

 2人の男は納得したような表情を浮かべた。

「それで、その少年を……」

「断る」

 細身の男が言い切らないうちにすっぱりと応えて緊張が走る──

「あの子を守るのが私への依頼だ。依頼を放棄する気は無い」

「傭兵が護衛まがいのことを……っ」

 身を乗り出した大柄の男を細身の男が手で制止した。