トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「中東の人間だな」

「!」

「動きとしゃべり方で解る。私に嘘は通用しない」

「……」

 静かに見つめる眼差しに、男は一瞬ゾクリとした。

「この子に何をした」

「しっ、知らない」

 視線を逸らすが、見つめられている事に体が震える。

「殺人ウイルスと聞いたが」

「!」

 驚きの表情を見せてすぐに平静を装った。

「ふむ」

 少し思案する仕草をして、再び男に目を向けるその表情は何故か笑顔だ。

「……」

 妙な威圧感と恐怖が、男の背筋を冷たくさせる。

「答えてもらえるまで同行願おうか」

「い゛っ!?」

 青年の言葉に顔面を引きつらせた。