「ふむ、随分とあっけないものだな」

 立ち上がって、拍子抜けしたように頭をポリポリとかく。

「さてと」

 気を取り直すように発し、地面に伸びている男に手錠をかけて胸ぐらを掴み少し揺する。

「ハッ!?」

「お目覚めか」

 ニッコリと浮かべられた笑顔に男は自分の置かれている状況が一瞬、把握出来ず戸惑った。

「少々、聞きたい事がある」

 その言葉を口にした途端、男は目をそらして

「何も喋らないぞ」という意思を示した。

 彼はそんな態度にもひるまずに、少し顔を近づけて口角を上げる。