アザムは、心の奥底でなんとなく考えていた。

 神はベリルに試練を与えているのではなく、人に試練を与えているのかもしれない。と……

『最後の砦』

 それが『ベリル』という存在なのではないだろうか。

 これは『推測』ではなく『希望』だ。

「そうあって欲しい」というアザムの希望……

「……」

 ペンダントを閉じて冷めたコーヒーをゆっくりと傾けた。



 END