トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「ふう」

 20歳ほどの青年は電話を切って、コーヒーに口を運ぶ。その青年の首には、楕円形の平たいペンダントが小さく部屋の光を反射していた。

 おもむろにペンダントを開く──そこに入れられていたのは3枚の写真。

 1枚は先に旅立った家族、1枚は新しい父親。

 そして1枚はベリルとティーロの写真だ。

「……」

 ベリルが満面の笑みでティーロのまだ完治していない横腹を握っている。

 ばっちりカメラ目線のベリルの笑顔と、痛みで半泣き状態のティーロに青年はその写真を見てクスッと笑みをこぼした。

 そして、ペンダントの中に収められた小さなガーネットに目を細める。

 あのとき、ベリルがペンダンに見つけた赤い宝石──これは、自分の心を伝えるためにレイがこっそり入れたものだった。