トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 それからさらに数日が経ち、アザムの血液からはウイルスは発見されなくなる。

「よし、いいだろう。風呂に入れ」

「やった!」

 うれしそうにシャワールームに駆けていく。

<もうすぐ君ともお別れか。残念だよ>

 惜しむようなリッキーの声がスピーカーから響いた。

「私はほっとするがね」

 薄笑いでガラス向こうの生徒たちに腕を組む。

<正直に教えてくれよ。あの少年は何に感染してたんだ?>

 その問いかけにベリルは一度、視線を外し口角を吊り上げた。

「企業秘密だ」

 リッキーに顔を向けて不敵に笑った。