トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 確認したベリルは血液採取のキットと点滴を用意して、ベッドの隣に立つ。

「! 痛くない。上手いんだね」

 注射針を刺したベリルに小さく笑うが、先ほどよりも苦しそうだ。

 続いて点滴の準備を始める。

「これは?」

「食塩水にブドウ糖を混ぜたものだ。いくらワクチンを打っているとしても栄養が無ければ代謝機能が上手く働かない」

「ふーん……」

 よく解らないが、手際よく点滴を準備して針を刺すベリルに本物の医者のような錯覚を覚えた。

「ベリルさん……は、ホントに大丈夫なの?」

「心配は無い」

 そか……良かった。ぼそりとつぶやいた言葉に眉をひそめる。