6年目の愛してる




俺の大事な紗絵に何言ってくれてんだ。


俺の大切で大切で仕方ない紗絵の心に、勝手に矢を放たないでくれ。


この親父さんだけでも、憤激ものなのに紗絵の母親はさらに続ける。




「あんた、結婚するなら今までの養育費払いなさいね?高校入学までの養育費、仕方なく払ってあげてたんだから」




血管が、切れるかと思った。


ああ


こんなことならもっと早く、紗絵のことをさらいにくれば良かった。





「紗絵、いくぞ」




紗絵の腕を引っ張って沙絵の家をでた。


紗絵を車に押し込めてエンジンをかける。




「こ、コウくん!?どうしたの・・・。ごめんね、やっぱりイヤな思いしちゃったよね?」


「ちがう、俺のことなんかどうだっていい。ちょっと待ってて」




目的地についてさっさと用を済ませ、また紗絵の家に戻った。





「コウくん・・・?」




心配そうな紗絵の顔。