「コウくん…彼女さんは?」




私の言葉にコウくんが目をまん丸にする。




「彼女・・?紗絵、さっき俺にキスしてたのは男だ。」

「男?」

「ああ、会社の後輩だ。竹下っていうんだけど・・・女装好きで・・・。」




そうだったんだ・・。


勝手に勘違いして勝手な行動とってたんだ。


私、最低。


たくさん迷惑かけた…。




「コウくん、ごめんね・・・。こんなに迷惑かけて。」

「迷惑なんかじゃない。紗絵の迷惑なんて、迷惑に感じないから。・・・紗絵、キスマークとか気づいてたよな?」




コウくんの言葉が私の胸に突き刺さる。


キスマーク・・・。


現実を突きつけないでほしい。