病室に入るとそこには細い管に繋がれた紗絵がベッドに横たわっていた。





「紗絵・・・・。」





俺はゆっくり紗絵に近づき額に手をおいた。


俺が紗絵に触れると紗絵はかすかに反応を示す。


あんな雨の中、傘もささずに走り出していった紗絵。


紗絵は大丈夫なのだろうか・・。




コンコン




暫く紗絵の手を握っているとドアをたたかれる音が聞こえた。





「どうぞ。」

「失礼します。」





声と同時に入ってきたのは医師とさっきの看護婦さんの田中さんだ。




「奥さんは、道端に倒れていたところを見つかって運ばれてきました。」




初めに医師にそう告げられた。




「奥さんは、ご懐妊なさっています・・・ご存知でしたか?」




へっ?!