「そーゆーお前こそ、良平くんに奥さん奪われてるんじゃないのか?」
「それが・・・」
竹下が良平くんへ視線をチラリ。
「ぼくはちあちゃんとけっこんするから、ママはパパにゆずってるの」
なーんてにっこりと話す良平くんに大人の俺たちは目が点だ。
「良平!!ママと結婚って言ってくれないの?」
わざとらしく悲しそうな表情で良平くんをみつめる竹下の奥さん。
「うん!パパがかわいそうだから!それに、ぼくはちあちゃんがいいんだ~」
良平くん、なかなかのプレイボーイの予感がする発言だな。
最近の子ってこんなもんなの?
良平くんは園でもモテそうなタイプだよな。
「あたちも、りょうへいくんがいい~!」
親離れ早いですね、千愛さん・・。
でも紗絵はにこにこしてるな。
「パパはね、ママがいないとすぐさみしいっていうんだよ!」
「ち、千愛!?ママには秘密だろ~それは!」
紗絵のこと大好きなのを知られるのはかまわないけど、それしられたら夫としてちょっと情けないじゃんかよ・・。
「それでね、ママもパパとはなればなれだとえーんえーんってないちゃうの!あたちママのおなかのなかでみてたからしってるの!」
「ちーちゃん、パパには秘密にしてっていったのに・・!ママ恥ずかしいよぉ」
俺も顔が真っ赤で、紗絵も顔が真っ赤。
俺たちを真っ赤っかにした犯人である千愛は、良平くんと共に子供部屋へと去って行った。
「部長ったら~どんだけラブラブなんスか!もう!」
「紗絵ちゃん愛されてるね!!羨ましいよ~!」
竹下夫妻は元気だ・・・。
俺たちは恥ずかしさマックスだっつの。
「あ、でもさっき良平くん言ってたぞ?パパとママはぼくがいないとすぐちゅーするんだって!」
竹下夫妻の表情が固くなる。
「そちらさんも十分ラブラブじゃねーの?な、紗絵!」
「ふふふ、そうだね!二人とも美男美女でお似合いだもん」
今度は竹下夫妻の顔が真っ赤。
大人四人で何してんだか。
でもこんな休日も悪くないな。


