6年目の愛してる




「そーゆーお前こそ、良平くんに奥さん奪われてるんじゃないのか?」

「それが・・・」



竹下が良平くんへ視線をチラリ。



「ぼくはちあちゃんとけっこんするから、ママはパパにゆずってるの」



なーんてにっこりと話す良平くんに大人の俺たちは目が点だ。



「良平!!ママと結婚って言ってくれないの?」



わざとらしく悲しそうな表情で良平くんをみつめる竹下の奥さん。



「うん!パパがかわいそうだから!それに、ぼくはちあちゃんがいいんだ~」



良平くん、なかなかのプレイボーイの予感がする発言だな。


最近の子ってこんなもんなの?


良平くんは園でもモテそうなタイプだよな。



「あたちも、りょうへいくんがいい~!」



親離れ早いですね、千愛さん・・。


でも紗絵はにこにこしてるな。



「パパはね、ママがいないとすぐさみしいっていうんだよ!」


「ち、千愛!?ママには秘密だろ~それは!」



紗絵のこと大好きなのを知られるのはかまわないけど、それしられたら夫としてちょっと情けないじゃんかよ・・。



「それでね、ママもパパとはなればなれだとえーんえーんってないちゃうの!あたちママのおなかのなかでみてたからしってるの!」


「ちーちゃん、パパには秘密にしてっていったのに・・!ママ恥ずかしいよぉ」



俺も顔が真っ赤で、紗絵も顔が真っ赤。


俺たちを真っ赤っかにした犯人である千愛は、良平くんと共に子供部屋へと去って行った。



「部長ったら~どんだけラブラブなんスか!もう!」

「紗絵ちゃん愛されてるね!!羨ましいよ~!」



竹下夫妻は元気だ・・・。


俺たちは恥ずかしさマックスだっつの。



「あ、でもさっき良平くん言ってたぞ?パパとママはぼくがいないとすぐちゅーするんだって!」



竹下夫妻の表情が固くなる。



「そちらさんも十分ラブラブじゃねーの?な、紗絵!」

「ふふふ、そうだね!二人とも美男美女でお似合いだもん」



今度は竹下夫妻の顔が真っ赤。


大人四人で何してんだか。


でもこんな休日も悪くないな。