「パパ~!ママのことひとりじめしちゃだめっ!」
紗絵の腰を抱いて座っていれば娘の千愛がやってきた。
「ママはパパのだからな!」
「あたちのママだもんっ!」
娘の千愛が生まれて、もうすぐ四年がたとうとしている。
切迫流産と聞いたときには血の気が引くようだったけど、今は幼稚園に通うまで大きくなった。
千愛が生まれたときは紗絵と二人で号泣して、助産師さんに宥められる始末。
俺と紗絵の愛の結晶で、愛しくて愛しくて仕方がないのが千愛なんだ。
「ママだっこしてくれるです?」
「ふふっ!ちーちゃんだっこ大好きだね?おいで」
紗絵の膝に乗って満足そうな愛娘。
普通娘ってさ、パパと結婚する!とか言ってくれるもんじゃないのか・・・。
「千愛、パパの膝もあいてるけど?」
「ママがいいの!です!」
千愛は紗絵にべったり・・パパ少し寂しい。
「ははっ!部長~奥さん完全に奪われましたね?」
竹下は楽しそうにこっちをみている。


