6年目の愛してる




「パパ~!ママのことひとりじめしちゃだめっ!」




紗絵の腰を抱いて座っていれば娘の千愛がやってきた。




「ママはパパのだからな!」

「あたちのママだもんっ!」




娘の千愛が生まれて、もうすぐ四年がたとうとしている。


切迫流産と聞いたときには血の気が引くようだったけど、今は幼稚園に通うまで大きくなった。


千愛が生まれたときは紗絵と二人で号泣して、助産師さんに宥められる始末。


俺と紗絵の愛の結晶で、愛しくて愛しくて仕方がないのが千愛なんだ。




「ママだっこしてくれるです?」


「ふふっ!ちーちゃんだっこ大好きだね?おいで」




紗絵の膝に乗って満足そうな愛娘。


普通娘ってさ、パパと結婚する!とか言ってくれるもんじゃないのか・・・。




「千愛、パパの膝もあいてるけど?」

「ママがいいの!です!」




千愛は紗絵にべったり・・パパ少し寂しい。




「ははっ!部長~奥さん完全に奪われましたね?」




竹下は楽しそうにこっちをみている。