side.コウ
「部長、飲みましょう!今日はとことん飲みましょう!」
ある日の休日、部下である竹下家族が俺の家へとやってきている。
つい先日、俺は部長に就任して、その祝いということらしい。
「俺は俺が部長になったことよりもお前が課長代理になったことが嬉しいよ」
手塩に掛けて育てた部下の成長ってのはやっぱり感慨深いものがある。
厳しくしたこともかなりあったが、こいつを信頼して育ててきて良かったと心底思う。
「部長!これからもよろしくッス!」
「今度はお前が部下を育てていく番だからな?がんばれよ」
こんな感じで、仕事はかなり順調だ。
「コウくん、ここに氷おいとくね?」
「紗絵、座って。竹下の奥さんもこっちへどうぞ」
さっきからキッチンでせかせかと動いていた紗絵を引き寄せて俺の横に座らせた。
竹下の奥さんも竹下の横に。
「部長~相変わらず奥さんのこと大好きッスね?」
ニヤニヤとこっちをみる竹下。
「ん、俺紗絵大好きだからな」
もう、誰の前であっても紗絵への愛情を隠したくない。
ずっと素直に伝えていたいんだ。
「こ、コウくん・・・」
照れてる紗絵はすごくかわいいし?


