6年目の愛してる




「はい、ゆりあ先輩これ着てみて!」

「こんな大人っぽいの似合うかな!?」



ゆりあ先輩に渡したのは背中がざっくりと開いた、体のラインがくっきり分かってしまう黒のペンシルドレス。


桜ねーちゃんが作ったから少しセクシー系だ。


丁度膝下の丈で、背が高くて手足の長いゆりあ先輩にはぴったりのはず。


ゆりあ先輩が着替えてる間、俺は部屋の外雑誌を読みながらで待っている。



「しょ、翔平くん・・・これ本当に大丈夫なのかな??」



ドアの隙間から顔を出したゆりあ先輩。



「ちゃんとみせて・・よ・・・」



バサッ


俺の手からすべり落ちるファッション雑誌。


ドクンドクン


跳ねる心臓。



「やっぱり似合わない?」



心配そうなゆりあ先輩。



「に、似合いすぎッス・・・」



あぁ、なんだこの人は。


可愛すぎるじゃないか・・・。


先輩の褐色の肌がよりセクシーに感じられる。


セクシーなのに、俺を覗き込む先輩の表情が可愛くて。


俺、ダメかも。


俺の初恋で止まっていた時計が、カチッっと音をたてて動き出した。