「はい、ゆりあ先輩これ着てみて!」
「こんな大人っぽいの似合うかな!?」
ゆりあ先輩に渡したのは背中がざっくりと開いた、体のラインがくっきり分かってしまう黒のペンシルドレス。
桜ねーちゃんが作ったから少しセクシー系だ。
丁度膝下の丈で、背が高くて手足の長いゆりあ先輩にはぴったりのはず。
ゆりあ先輩が着替えてる間、俺は部屋の外雑誌を読みながらで待っている。
「しょ、翔平くん・・・これ本当に大丈夫なのかな??」
ドアの隙間から顔を出したゆりあ先輩。
「ちゃんとみせて・・よ・・・」
バサッ
俺の手からすべり落ちるファッション雑誌。
ドクンドクン
跳ねる心臓。
「やっぱり似合わない?」
心配そうなゆりあ先輩。
「に、似合いすぎッス・・・」
あぁ、なんだこの人は。
可愛すぎるじゃないか・・・。
先輩の褐色の肌がよりセクシーに感じられる。
セクシーなのに、俺を覗き込む先輩の表情が可愛くて。
俺、ダメかも。
俺の初恋で止まっていた時計が、カチッっと音をたてて動き出した。


