6年目の愛してる




あ、ゆりあ先輩校舎と違う方に行った。


こーゆーときはそっとしておいてあげた方がいいんだよな?


そっと、そっと・・そっとしておいて・・・んー!!



「俺には無理だ!!!」



気になって仕方ないもんよ、ゆりあ先輩のこと。



「やっぱ、ここにいましたね。ゆりあ先輩!」



後を追ってついたのはテニスコートだった。



「あ、翔平くん。どうしてここに?!」

「へっへー。秘密っす!終業式サボるなんてなかなかの悪だね、ゆりあ先輩」



俺の名前、憶えていてくれたのか。


なんて嬉しくなった。



「サーブ練習もいいけど、俺とラリーしようよ。中学のときはテニス部だったんだよ?俺」



荷物を放り投げて、そこらへんにあったラケットを持ってゆりあ先輩に笑いかける。



「じゃあ、お願いしようかな?」



観念したように笑ったゆりあ先輩にドキっとした。


ん?!


ドキっとなんてしてないよ、俺!してないしてない!!