あ、ゆりあ先輩校舎と違う方に行った。
こーゆーときはそっとしておいてあげた方がいいんだよな?
そっと、そっと・・そっとしておいて・・・んー!!
「俺には無理だ!!!」
気になって仕方ないもんよ、ゆりあ先輩のこと。
「やっぱ、ここにいましたね。ゆりあ先輩!」
後を追ってついたのはテニスコートだった。
「あ、翔平くん。どうしてここに?!」
「へっへー。秘密っす!終業式サボるなんてなかなかの悪だね、ゆりあ先輩」
俺の名前、憶えていてくれたのか。
なんて嬉しくなった。
「サーブ練習もいいけど、俺とラリーしようよ。中学のときはテニス部だったんだよ?俺」
荷物を放り投げて、そこらへんにあったラケットを持ってゆりあ先輩に笑いかける。
「じゃあ、お願いしようかな?」
観念したように笑ったゆりあ先輩にドキっとした。
ん?!
ドキっとなんてしてないよ、俺!してないしてない!!


