6年目の愛してる




「コ、ウくん・・・」



ふと聞こえた紗絵の声。


久しぶりに呼ばれた名前に胸が高鳴る。


沙絵の声をたどってみればソファに紗絵が横たわっていた。


寝言で、俺の名前を?



「だいすきなの・・・」



そう言って寝ている紗絵が涙した。


相当酔っぱらっていた俺だけど、その言葉に胸が苦しくなって寝ている紗絵を抱きしめた。



「俺のほうが、大好きだよ」



薄ら目を開けた紗絵が俺に腕を回してくる。



「キス、して・・」



その言葉が、涙がでそうなくらい嬉しい。


まるで初めてのキスみたいに、ドキドキした。



「ん、いい夢だなぁ・・」



紗絵はこれは夢の出来事だと思っているらしい。


って、俺もこんなにふわふわしてるし・・・。


夢なのか?


そこからは、ふわふわした感覚の中。


紗絵への愛しさが溢れて、沙絵を求めた。


紗絵もそれに応えてくれる。


とても幸せな、夢。