「コ、ウくん・・・」
ふと聞こえた紗絵の声。
久しぶりに呼ばれた名前に胸が高鳴る。
沙絵の声をたどってみればソファに紗絵が横たわっていた。
寝言で、俺の名前を?
「だいすきなの・・・」
そう言って寝ている紗絵が涙した。
相当酔っぱらっていた俺だけど、その言葉に胸が苦しくなって寝ている紗絵を抱きしめた。
「俺のほうが、大好きだよ」
薄ら目を開けた紗絵が俺に腕を回してくる。
「キス、して・・」
その言葉が、涙がでそうなくらい嬉しい。
まるで初めてのキスみたいに、ドキドキした。
「ん、いい夢だなぁ・・」
紗絵はこれは夢の出来事だと思っているらしい。
って、俺もこんなにふわふわしてるし・・・。
夢なのか?
そこからは、ふわふわした感覚の中。
紗絵への愛しさが溢れて、沙絵を求めた。
紗絵もそれに応えてくれる。
とても幸せな、夢。


