「ちょっ!課長~大丈夫ですか??送りますか?」
「大丈夫だ!俺は紗絵のご飯をたべに帰るの!」
今日はいつも以上に飲み過ぎた。
ここ最近、紗絵のことが恋しすぎて。
それでも触れる勇気がなくて。
でも、考えるのは紗絵のこと。
いくら飲んでしまっても、紗絵が家にご飯を作っていてくれるから。
それは絶対に食べるんだ。
飯、ある?
今あたためるね。
たったこれだけの会話なんだけど、それでもそれが嬉しいんだ。
「ただいま」
玄関で、小声でそういう。
もう0時を回っている。それでも、紗絵はいつも起きていてくれる。
でも今日はリビングに足を運んでも紗絵の姿が見当たらなかった。


