無愛想に受け取って
また外を見る。

朝日がさっきより
高いところで
輝いている。

「ここからの眺めっていいよな。」


「えっ?」

声の主が彼だと知って
少し驚いた。

「好きなの?」

「うん。好き。」



どきっとした。
別に自分が言われたわけじゃないのに
なんでか
胸の鼓動が
止まらなかった。


「大好きなんだ。」

「へえ・・。」


一瞬、目が輝いて見えた。




好き・・・。




私は今
目の前の
名前も知らない
彼のことを


好き なんだと
自覚した。