裕子

って人のことを考えていると
なぜか胸のなかが
ちりちりと痛む。

似てる?
私と裕子って人が?

「心!」

遠くで瀬田さんが私を呼んだ。

「来てっ!」

ライブハウスに瀬田さんの声が心地よく響く。
楽器はもう並べられていて
ライブハウスらしい。

「どうしたんですか?」

私はゆっくり瀬田さんに近づく。

「暇そうだったから。」

にこっと笑う。
でもどうしてだろう
この笑顔は私に向いてる物じゃない

そんな気がした。


「裕斗。リハするぞ~。」

「はーい。」

宏一さんが裕斗を呼ぶ。

宏一さんは顔が整ってて少し長い髪の毛が
似合ってる。
きっともてるんだろうな・・・。

「宏一に惚れた?」

耳元でささやかれる。

「はるさんっっ!そんなわけないですよ~。」

ははっと言って
宏一さんを指さす。

「あいつルキとできてるから。」

へぇ~って

「はぁ??!!」

踏み込んじゃ行けない世界だよ
と、はるさんが言う。

「そーですね。」

「しっかし好みまで裕子さんに
似てるなんてね。驚き。」

また   裕子

この際聞いてみるしかない。