土曜日。
「ったく服が無いってどゆこと?」
あさひがあきれてため息をつく。
ファッションなんて良く分からない。
だから基本
ジーパンにTシャツ。
「ありえないっ!」
あさひに言うとそういい捨てられた。
だって服なんて
着れたらいいじゃん・・・。
「てかさ・・・・・。」
いきなりあさひの動きが止まった。
下を向いていつものあさひらしくない。
「?どうした?」
「ご・・ん」
声が小さくて聞き取れない。
「ん?」
「ごめっ・・・。」
泣いてる?
「あさひ?」
あさひの肩を持つ。
微かに震えてるのは
気のせい?
「うち裏切ったんだよね。心の事。」
「何の話?」
あさひは私を見た。
「裕斗さんのこと。会うだけのはずなのに・・・。
私、調子乗っちゃって。こんなんだから・・・。」
あさひ・・・。
「大丈夫。あさひのおかげで
私の恋叶ったんだから。」
私は知ってるよ。
あさひがあの後どんな顔してたか。
後悔してたこと。
なかなか話しに来なかったこと。
10年も一緒にいるんだから。
「この服ってかわいいの?」
あさひには
笑顔が似合ってる。
「え゛!それはやめとこ。」
「そうなの?」
「そうだよ!あははは。心センスないよ~。」
ほらやっぱり笑顔のほうがいい。
「ふふっ。」

