数学室。
この部屋は相原センセの香水の匂いがしてとてつもなく…
『嫌だ。』
「?、何が?」
『いやいやいやいや、こちらの事情です~…。』
理由なんかいえるかこの野郎。
今私は六畳ほどしかない数学室の隅っこに置いてある椅子に腰かけ
コーヒーを飲んだのか、頑張ってコップを洗っている先生を盗み見していた。
「姫野、髪の毛染め直したら?」
・・・大人のよく言う言葉だ。
『やだよ、面倒くさいもん。』
無表情のまま、素直な気持ち。
やっぱり相原先生も大人の意見だね、
なんて言えるわけがない。
「お母さんとかお父さん、何も言わないのか?」
