想はあたしの腕をグイッと引っ張って、


あたしを強く抱き締めた。

「ッ……想ッ……?」

「死ぬな」

「え……」

「お前が死んだら悲しむヤツはいっぱいいる。」

「でもあたし……」

言えない…。

レイプされたなんて……。

「いい!理由は聞かない。お前が苦しむなら…」

「想……」



想の優しさに、好きになりそう…。

あたし……



想が好きになりそう…。


【付き合ってるヤツとは早く別れろ】


ふと、レイプした奴の置き手紙を思い出した。



「あたし……想と別れる…」

「は?だって今日付き合ったのに…」

「ダメなの……」

「んだよ…」

「付き合っちゃダメなの」
想が狙われる…。

「ふざけんなっ!好きになっちまったじゃねーか!!」

え……

あたしのコト、好き?

「あたしだって、好きだよ?でも、ダメなの……」

「じゃあ…本当に両思いなのに別れるのか…?」

「うん……」

「意味わかんねーよ!」

「ごめん!ごめんね……ごめんなさい。でもあたし……これが、想のためなの」
「……じゃーな」

―――ズキンッ



冷たく言い放たれた、言葉。

あたし……





でも、これが想のためなの。




これしかなかった。




あたしは……




想と別れた。