交点の烈~沈黙するケイタイ~

 工場の一角──鉄の階段を上ると、そこにはよくあるプレハブ事務所といった造りの部屋があった。

「覚醒剤は効くんじゃなかったのか!?」

 柳田は生田に詰め寄る。

「まさかここまでの奴とは……」

 生田は聞いているのかいないのか、柳田に目を向けずにつぶやいた。

 そんな2人のやり取りを、事務員と思われる数人が神妙な面持ちで眺めた。