交点の烈~沈黙するケイタイ~

 ベリルを助けた男は、工場の中にあるプレハブ小屋に入りロッカーの中を整理し始める。

「逃げる前に自分の荷物まとめなきゃ……」

 カバンに私物を詰めていると、階段を上ってくる足音が聞こえて怪訝な表情を浮かべ階段にゆっくり近づいた。

「わっ!?」

「お」

「な、なんでこんなトコに……」

 現れたベリルに驚いて声を上げ、心臓がバクバクと早鐘のように激しく高鳴った。