交点の烈~沈黙するケイタイ~

「体の方はどう?」

「少し……だるい」

 儚く見える青年に胸がキュンとなる。

 潤んだ瞳がまるで宝石のように輝いていて、まさか男にこんな感情が芽生えるなんて……と、己の感情に驚きつつも素直に従っていた。

「君は、どうしてこんなことをされるんだい?」

  細くて抱き心地のよさそうな体を見つめる。

「それは……」

 か細い声に、男は続きが聞きたくて耳を近づけた。

「私が危険だからだよ」

「!?」

 息がかかるほどの距離で聞こえた言葉に驚いた刹那──青年が静かに立ち上がった。

 今までの儚いイメージとは真逆の、冷たく無表情な瞳にゾクリとする。