数時間後──再び生田たちが訪れる。覚醒剤を打つのは、先ほどと同じ男性だ。

「……」

 男は、針を刺しながらもベリルをじっと見下ろした。

 端正な顔立ちと、そこはかとなくかもし出す上品な雰囲気。

 そしてすがるような表情……潤んだ瞳に吸い込まれそうで、見つめるエメラルドの瞳から目が離せない。

 アジア系とは異なる体型からは神秘性を漂わせていた。

「何をしている。終ったら早く出ろ」

「あ、はい」

 男は生田の声に、そそくさと頭を下げて出て行く。