それを何度か経験しているベリルは、その感覚の制御が出来るようになっていた。

 という訳で、彼に覚醒剤は効かない事になる。

 彼に通用するのは麻酔のみだ。

 どうやって抜けだし、どうやって叩くか……ベリルは思案した。

 ここは日本、派手な行動はつつしみたい。

「!」

 そうこうしていると携帯が震え、ゆっくり開けて確認する。

[ありがとう。お礼言いたいから電話してください090──]

「……」

 しばらく考えて返信せずに電話を閉じた。