交点の烈~沈黙するケイタイ~

「……」

 それを視界の端で捉えていたベリルは、心中でため息を漏らした。

 ガラス張りの壁に背を向け、目を閉じて眉をひそめる。

 ついニヤけてしまった。

 覚醒剤など久しぶりに使われたな……不死になる前ならば精神依存になっていたかもしれん。

 しかし──ベリルは不死になり、幾多の死期を経験している。

 その時に脳内で分泌される物質、それは『脳内麻薬』と呼ばれるもので麻薬や覚醒剤など比べものにならないほどの高い効果を持つ。

 正常な時にそれが分泌されると死を招くほどの……