「褒美を下さい」

「……褒美?」

「これから長い牢獄生活なのです。それを成し遂げるだけの褒美を」

「……」

 嫌な予感がしつつも聞き返してみる。

「どんな褒美が欲しいのだ」

 ミコはパッと明るい顔になり背筋を伸ばした。

「それはもちろんベリル様のキ……」

「図に乗るな」

 最後まで聞きたくもないと、ミコが言い終わらないうちに頭をはたいた。

「で、でしたらお手を」

 左手で頭をさすり、右手を差し伸べてベリルの手を待つ。