交点の烈~沈黙するケイタイ~

「……」

 状況から察するにこいつがミコ様か? ナユタたちにでもやられたのだろう。

 教祖のこの状況にも気付かない他の連中にも呆れる。

 ベリルは小さく溜息を吐き出すと、ひとまず自分の写真を拾い集めた。

 祭壇にあるライターを手に取り、写真を香炉に投げ入れて火を付ける。

 じんわりと燃え初め、勢いを増していく炎を見つめた。

「く、くそ……ナユタめ」

 男がようやく赤い布をはぎ取り、悔しげに発する。

「!」

 目の前に人の気配がして、ゆっくりとその姿を下から舐めていく。

「!? お……おおお! まさか!?」

 おおよそ整っているとは言い難い顔をベリルに向けて、歓喜にうちふるえた。