交点の烈~沈黙するケイタイ~

「……」

 確認し終えたベリルは、ふとしゃがみ込む。

 誰かが侵入した形跡がある、ここで当たりか?

 他よりもやや低めの鉄格子を見上げ、道路の端いっぱいまで遠ざかる。

 ふっ……と息を吐き鉄格子に向かって走り、すぐ手前でジャンプして鉄格子を掴み持ってきた勢いを利用し体を持ち上げ華麗に侵入成功した。

 姿勢を低くして気配を探る。

 ウイルスを送り込むとすれば浄水を終えた水道管に直接、送り込む他は無い。

 パイプに小さい穴でも開けるつもりなのだろうか?

 考えもって音を立てずに歩みを進めた。