交点の烈~沈黙するケイタイ~

「さしあたり、UZI(ウージー)かな」

 イスラエル製の拳銃弾を使うサブマシンガンはシロウトでも比較的、扱いやすい。

 眺めていると、男は何やらキョロキョロと迷った様子で少し不安気味にうろついていた。

 偶然というべきか、男が迷っているおかげで出会えたといった処か……

『武器を持っている』という特有の感情を表している顔つきに、ベリルは確信する。

 緊張で喉を枯らしているようだ、やたら肩で唾液を飲み込む動作をしている。

 ベリルは音もなく男の背後に忍び寄った。

「もしもし」

「! はっ、はい!?」

 飛び跳ねんばかりに驚いて振り返ると、見目麗しい金髪の外国人がいて男はドキリとした。