交点の烈~沈黙するケイタイ~

「……っあいたたた」

 勢いよく転がって止まったあと、しばらく沈黙しゆっくりと起き上がる。

 草むらで良かったと溜息一つ、いくら死なないといっても痛いものは痛い。

 道路の方に目を向けると、柳田が車を止めて辺りを窺っていた。

 その様子を捉え、暗闇に紛れてその場をあとにする。

 ベリルは歩きながら思案した。

 どこでそれを使うのか見当がつかない。彼女と話し合えば何か掴めるかもしれんな……携帯を取り出す。

[わかった]

 というメールを読み

[その場所だが、どこか見当はついているか?]返信する。

「……」

 送信して辺りを見回した。

 都心にそれほど離れていない場所らしい。いや、都心を横断する道だったのか?