交点の烈~沈黙するケイタイ~

 ベリルは暗闇の中、足のロープを解くとどこをどうやったのかトランクを開いた。

「なんだ!?」

 柳田は突然、鳴り響いたピーピーという警告音にバックミラーを見やるとトランクが開いているのが映って声を上げた。

「速いな。60kmくらいか」

 呑気に発して、飛び降りる姿勢を取る。

 おっと、その前にメール送信……

[水道施設の方は心配ないかもしれん。日本の浄水機能は素晴らしい。しかし浄水後の水に入れるなら少々心配だ。とりあえずマシンガンの方が今の処は危険なようだからそちらに向かおう]

 確認して送信ボタンをタップした。

 携帯を仕舞い、速度と位置を確認し唇をペロリとひと舐めすると脇の草むらに飛び込んだ。