「!」

 意識を戻したベリルは、すぐに今の状態を確認する。

「……」

 口には猿ぐつわをはめられている、ハンカチだろうか?

 両手は後ろ手に手錠、足もロープか何かで拘束されているようだ。

 圧迫感と暗闇、この振動はトランクか。割とゆったりしている、3ナンバーの車かな?

 音と振動からして60㎞以内の速度だろう……そこまで考えて体勢を整える。

 まさか偶然のメールから自分とつながるとは思ってもいなかったが、退屈することはないかもしれない。