交点の烈~沈黙するケイタイ~

 ゆっくり開いて隙間から中を窺う。

 誰もいない事を確認し、音を立てずに踏み入った。

 3階建ての建物の1階には部屋が3つほど。

 音を立てずに1階を調べ、階段を上り2階へ……2階には会議室のようなものがひと部屋だけらしい。

 ゆっくりとドアを開いて中に入り、部屋の中央まで来た処で電灯が灯され四方に男が数人ずつベリルを囲んでいた。

 ああ、やはり……と口の端をつり上げる。

 暗闇の中、彼は敵対的な気配を感じていたのだ。

 同時に、気配たちの強さも確認済みだ。

 先ほどの青年たちと違い今回の男たちは、何かスポーツをしていた事が窺える体格である。

 小柄なベリルを睨み付け、捕える体勢をとっていた。