ベリルは思案した。

 「そうです」という返事もどうかと思うし「違います」と言うのもな……

 しばらく携帯を眺めて[それと何か関係が?]と、返した。

 我ながら微妙な返しをしたものだ。

 思いながら、面倒なので銃の始末をしようと建物に向かって歩き出す。

「……」

 建物を遠巻きに眺めると、入り口から左側の窓には薄いカーテンがかけられていて灯りは消えていた。

 周りの気配を探りながら建物に近づき、静かにドアノブに手をかけた。

 当然、鍵は閉まっている。

 数秒ほど思案して、ベルトのバックルから細い針を数本、取り出し鍵穴に静かに沈めていく──微かな音が鍵が開いた事を示した。