交点の烈~沈黙するケイタイ~

「置かれている場所は解るか」

 すがるような眼差しを向けられ、小さく溜息を吐き出して立ち上がる。

「ここから遠くないよ!」

「教団の支部にあるんだ」

 男たちは口を揃えて嬉しそうに発した。

 それから、彼らの知っている事をひと通り聞いて解放する。

「銃ねぇ……」

 走り去る後ろ姿を見つめながら苦笑いを浮かべて思案した。

 聞いた場所は確かに遠くはない。

 しかし、いささか彼らの口調は芝居めいていたが気のせいかもしれない。

 自分たちを叩き伏せた相手に恐怖心を抱き、そういう口調になったのかもしれない。