交点の烈~沈黙するケイタイ~

 瞬間──ベリルは、その中の1人に足払いをかました。

 倒れ込んだ男とは入れ替わりに立ち上がり、その腹にかかと落とし!

「ぎゃっ!?」

 えもいわれぬ苦しみの声が空に響いた。

「うっ、うわぁ!」

「ひぃっ」

 残りの男3人は仲間を残して一目散に逃げていった。

「あ」

 やはりあっけない。

 もう少し楽しませてくれてもいいだろうに……あまりの手応えの無さにベリルは肩を落とした。

「うっ!?」

 ベリルが振り返ると、まだ地面にはいつくばっていた男が体全体で後ずさりした。