交点の烈~沈黙するケイタイ~

 外国の人間にしては174cmと小柄なベリルよりもやや高い身長だが、彼の雰囲気に5人は圧倒されていた。

「来ないのかね?」

 不敵な笑みが浮かぶ。

「くそっ、やれ!」

 業を煮やした1人がそう叫び、男たちは一斉にベリルに飛びかかった。

 しかし、同時に飛びかかったように見えて実際は少しずつのラグがある。

 ベリルは一番先に自分に触れるであろう男に体勢を低くして近寄り、エメラルドの瞳を輝かせた。

「ぐえっ!?」

 殴りかかろうとしたその腕を掴み、受け身のとれない体勢で地面に叩きつける。

「!?」

 ドシン! と、ひとしきり地面に背中を打ち付けて息も出来ずにもだえている男を見て、他の4人はピタリを動きを止めた。