交点の烈~沈黙するケイタイ~

「はあ……」

 ベリルは変に疲れたのか、溜息混じりの大きなあくびをしながら商店街を歩く。

 時は夕刻──あかね色の空が街を幻想的に映し出す。

 歩き続けて空き地が多く見受けられるようになった頃、相手が仕掛けてきた。

「お?」

 5人の男がベリルの前と後ろに挟み込むように立ちはだかり、彼にとっては少し嬉しい展開になる。

「何を調べている?」

 1人の男が警戒しながら問いかけた。

「さあてね」

 とぼけた声に男たちはカチンときたようだが、手を出す事に躊躇している。