交点の烈~沈黙するケイタイ~

「教祖は巫女……男か。なるほど」

 読み進めるにつれて眉間の縦じわが深く刻まれていく。

「……はぁぁ~」

読み終わって頭(こうべ)を垂れた。

 まあ確かに、藁(わら)にもすがりたい相手には効果的ではあるが……こういう商法は私の好む処ではない。

 信者と呼ばれる者たちに希望を抱かせておいてその実、心中では別の事を考えているのだから。

 宗教にはさしてどうこう言うつもりは無いベリルだが、人を騙(だま)して金品を得る行為にはいささか嫌悪感を抱く。

 そのページをプリントアウトして店を出た。