交点の烈~沈黙するケイタイ~

「……終わりだ」

 煙を上げる工場を視界全体で捉え、柳田は両膝をついてへたり込んだ。

 ベリルの話を生田にしたとき、彼は喜んで「捕まえろ」と言ったが不安は拭いきれなかった。

 こんな事になるかもしれないという予感は見事に的中した。

「悪いことはするもんじゃないなぁ……」

 柳田は半笑いで未だ爆発する工場を眺める。

「ふむ、こんなものか」

 ベリルはある程度、満足したようで唇の端に笑みを含ませ工場をあとにした。