身を隠しながら敷地内を探っているベリルの目に、階段の先に続いている事務所らしき建物が映る。

 階段の途中には、男がライフルを握って立っていた。

「ふむ」

 ベリルは手にしているライフルを確認して構え、男に照準を合わせる。目を細め引鉄(ひきがね)を絞った。

「!? ぐうっ」

 大きな破裂音と共に銃弾はみごと男に命中し、ゆっくりと手すりから滑り落ちる。

 ベリルは素早く階段を駆け上がり、曇りガラスのはめられた銀色のドアを開けた。

「!?」

「やあ」

 明るく声を上げたベリルに一同は目を丸くした。