アメリカ合衆国──カリフォルニア州のとある小さな田舎町。

 カリフォルニア州は多様な気候と地形に、多くの民族が住んでいる。

 面積のおよそ40%は森林であり、州の中央には生産性世界最大級の農業地帯『カリフォルニアセントラルヴァレー』がある。

 そんな田舎町の酒場で、1人の青年がブランデーを傾けていた。

 名をベリル・レジデントという。

 フリーの傭兵である彼はひと仕事終え、馴染みの酒場で気に入りの酒を飲んでいる最中だ。

 金髪のショートヘアにエメラルドの瞳、外見は25歳ほどだろうか。

 ソフトデニムのジーンズに黒のインナースーツ、半袖前開きのシャツを合わせた格好をしている。

 おおよそ傭兵には繋がらないイメージの整った容姿をしているが、さらに驚いたことに彼は外見通りの年ではない。